専門医のコラムDr's Column

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2018

白内障手術をした高齢女性は長寿?

「視界良好」が健康全般に良い効果をもたらすのか?

白内障は高齢者のほとんどがかかります。

一度、白内障を生じると薬では治らず、手術以外に完治する方法はないのが現状です。

しかし、手術への抵抗から目のカスミや不都合を我慢しながら手術を控える人が多いのです。

米医師会機関誌「JAMA 眼科学」(電子版)の2017年10月26日号に掲載された記事をご紹介します。この研究報告によると、白内障手術を受けた高齢女性は視力が改善するだけでなく、寿命も延びるという驚きの結果を、米カリフォルニア大学の研究チームが発表しました。

米国7万人の白内障女性を調査、死亡リスクは6割減

白内障治療については「薬の使用で、ある程度の予防や進行の抑制は可能だが、治す事ができない。濁った水晶体を取り出し、新たに眼内レンズを挿入する手術が一般的。」と多くの眼科では説明しています。

「JAMA 眼科学」の論文要旨によると、過去の研究で、白内障の手術を受けると視界が良好になることもあり、精神的・身体的に健康度がアップする可能性が示唆されています。

過去に当コラムでもご紹介した一例を以下にお示しします。

白内障と運転

この研究チームは、死亡率に影響しているかを調べるため、米国国立衛生研究所が閉経後の女性を対象に行なっている大規模な健康調査「WHI」のデータから、65歳以上の女性のうち白内障と診断された女性7万4044人(平均年齢70.5歳)を対象に22年間追跡し、白内障治療の手術の有無が、がん、心臓病、感染症、うつなどの神経症、呼吸気疾患、偶発的な事故などによる死亡リスクに影響を与えているかを調査しました。

調査期間中に4万1735人(56%)が白内障の手術を受けていました。

合併症や喫煙、飲酒の有無、肥満、身体活動量などを調整分析しました。

その結果、手術を受けた女性は、手術を受けなかった女性に比べて全死亡リスクが60%も低かったそうです。

さらに、心臓病や呼吸器疾患、がん、事故などの個別の原因別の死亡リスクを比較したところ、手術を受けた女性では37~69%の低下が報告されました。調査したリスク原因で、最も死亡率が下がったのは心臓病(69%)でした。

手術を受ける女性は自分の健康管理に積極的?

研究チームは「今回の調査は観察研究であり、因果関係の分析を行なっていない」と、慎重な判断を求めています。

チームリーダーのカリフォルニア大学のアンネ・コールマン教授は論文要旨の中で、「白内障手術を受けるメリットは視力改善だけにとどまらず、健康全般に影響を与え、死亡率を下げる可能性があることが示されました。今回の調査は女性だけですが、男性にも当てはまるかどうかは不明です。また、手術を受ける選択をした女性は、自分の健康管理を積極的に行なう人である可能性も考えられます」とコメントしています。

医学研究とは

こうしたさまざまな医学研究、調査がすすめられています。結果だけ聞くと、「当然ではないか。視力が良い方が、元気に決まっている。」と思う方も多いでしょう。

医学研究は、「おそらくこうであろう。しかし、それを裏付けできる確証が科学的には必要である。」と考えます。

「仮説 → 調査研究方法の決定 → 調査結果を集計 → 仮説が正しかったかどうか、正しくなければ次に必要な調査研究はどのようなものか」 を繰り返しながら、統計検定的に確立の高い結果を、医学情報として患者さんに信頼してもらえるデータとして報告していきます。

仮説だけで物事を判断することは困難です。

医学研究結果としては、「何%の確率で事故が起こりうる(薬の副作用や手術の合併症など)。たとえ3%と低い確率であったとしても、事故が生じた場合の対応方法として、考えられる対応法についても安全確立を出していく。」ことで、最も安全と考えられる提案を臨床の場で患者さんへ情報提供して、患者さんに治療方法を選択して頂いているのです。

今回のような数々の世界中から発信される研究報告を確認しながら、われわれは一人一人の患者さんへ白内障治療のメリット、デメリットを理解いただき、最高の視力満足度につなげられるように努力を重ねております。

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