専門医のコラムDr's Column

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2018

老眼? 年を取ると、目の神経は乏しくなる  亡くなった人の目の神経を検証

雪の伊吹山

”老眼” とはどんな変化なのか、一般的に言われる手元が裸眼で見づらくなる現象は以前のコラムにもご紹介しました。症状は自覚しても、何故なのか原因をご存じない方も多いです。

『老眼・・・詳しく説明できますか?』

老眼の症状がなぜ起こるのか、加齢による変化で、年を取ると、目の神経が乏しくなってくるということが最近の眼科研究で解明されてきました。

目のフイルムに相当する「網膜」の変化

英国、カーディフ大学の研究グループが、眼科分野の国際誌ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・オフサルモロジー誌で2011年に報告しました。

Lei Y et al. Transretinal degeneration in ageing human retina: a multiphoton microscopy analysis. Br J Ophthalmol. 201;95:727-30.

研究グループが注目したのは、目で物を見るときにかかせない「網膜(もうまく)」の変化。これが老眼の症状と関連するというのです。

これまでは老眼は「水晶体とその厚みの調節に関わる毛様体の問題」と認識されてきました。水晶体が固くなり、また毛様体という水晶体の厚みを変化させて「遠近のピント合わせをする」筋肉が衰えることが、老眼症状の発症原因と理解されてきたのです。

眼球内部は何層もの膜で覆われていますが、眼球の一番内側の膜の一つが網膜です。

網膜では、目に入ってきた光を受け止めており、光を感じ取る「視細胞」をはじめと、さまざまな神経細胞が存在しています。そのため網膜の働きを、カメラのフイルムに例えられることが多いです。

研究グループは、加齢により、この網膜の神経細胞がどれくらい減ってくるのか、特殊な顕微鏡で神経を撮影してカウントしました。

3つの層の変化に注目

この研究をするために、亡くなった人を若い人のグループ、年を取った人のグループに分けて調べています。

若い人のグループは、18歳から33歳の6人。年を取った人のグループは、74歳から90歳の6人です。

網膜はいくつもの層からなっており、中でも神経細胞が集まっている層として、内側から、「網膜神経節細胞層(RGCL)」「内顆粒層(INL)」「外顆粒層(ONL)」の3層について検証されました。

研究グループは、膜の奥まで観察できる特殊な「多光子顕微鏡」で撮影し、細胞を自動的に数える仕組みによって、神経細胞の密度を計算していました。

網膜の中央部で目立つ

3つの層のいずれでも、神経細胞の密度は加齢につれて減っていると確かめられました。

特に神経細胞の密度の減少が目立ったのは「網膜神経節細胞層」でした。網膜の中央部に近い場所でおよそ4分の3に減っている場所が認められました。
具体的には、網膜の中央部には、中心窩(ちゅうしんか)という網膜の薄い場所があり、その中心窩から1mmの場所で大きく減っていたのです。

次に減っているのは「外顆粒層」。中心窩から0.5~4mmにかけてのエリアでおよそ15%減少していました。

内顆粒層についてはまだ減少は緩やかで中心窩から1~2mmのエリアで9%程度の減少が確認できました。

視力に欠かせない神経が減る

加齢により、視力に欠かせない神経は減ってくるようです。

網膜神経説細胞層の細胞が減ってくることが緑内障で起っていることです。老眼と緑内障の何らかの関連が今後解明されるのかもしれません。

その視点からも、40歳を過ぎたら眼科専門医による目の健康診断をお勧め致します。

日本人の失明一位の緑内障。老眼との何らかの関連が発見されることは、今後の緑内障での失明を防ぐために重要かもしれません。

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