専門医のコラムDr's Column

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2017

「もし日本なかりせば」 マハティール元マレーシア首相のスピーチ

もし日本なかりせば

1981年から22年間、マレーシアの首相を務めたマハティール・ビン・モハマド氏を多くの方はご存知でしょう。
特に「ルック・イースト政策」を掲げ、欧米ではなく日本や韓国から学ぶ政策を採ったことで日本人にもよく知られていると思います。
このマハティール氏は医師でもあります。

同じ医師として、私が尊敬している人物の一人です。

マレーシアはマレー系、中国系、インド系という人種の問題を抱えた国で、イスラム教徒が多数を占めることなど国内の人種問題をはじめとした多くの問題を抱えていました。「発展途上国」を近代的国家に発展させて立役者です。
事実上、欧米金融に支配されている現代世界において独自の視点からはっきりと意見を述べるなど、「強い政治家」の印象を残したアジアのリーダーとして評価されています。

今回、1992.10.14香港でのマハティール首相の有名なスピーチをご紹介したいと思います。
もし日本がなかりせば」と訳されています。
強く心を打たれました。自虐史観を垂れ流す日本の大マスコミ・・・。
実は中国、韓国以外のアジア諸国はこのように日本を ”見ていた” のです
彼のこのスピーチに値する国づくりを後世の世代のために我々は行う必要があると痛感します。

尚、以下は日本経済新聞出版社から出版されている「マハティールの履歴書」より抜粋しました。

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過去のヨーロッパ中心の世界では、東アジアとはすなわち極東だった。
そして極東は、異国情緒あふれる中国と竜のイメージ、
お茶、アヘン、高級シルク、風変わりな習慣を持った珍しい人々など、
奇妙で神秘的な印象を思い起こさせる場所だった。

いまや極東は東アジアになり、
気の毒だがヨーロッパのロマンチストの興味は減った。
その代わりに政治家とエコノミストの関心の的となっている。

ヨーロッパがアジアに対して懸念を抱いている事実は、
この地域が、すでに今世紀前半の日本軍国主義以上に
深刻な脅威になっていることを示唆している。
こうした見方の底流には、不信感と恐怖がある。
その理由は、東アジアの人々が自分達とは異なっている、
つまりヨーロッパ人ではないという点にある

そのため第二次世界大戦後の
枢軸国であったヨーロッパのドイツとイタリアが
平和国家となって復興、繁栄するのは応援、歓迎されたのに、
同じように平和国家となった日本と
極東の「小さな日本」の経済発展はあまり歓迎されないように見える。

それどころか、ヨーロッパとヨーロッパ社会を移植したアメリカはともに、
さまざまな手段を使って東アジア諸国の成長を抑え込もうとしてきた
西側の民主主義モデルの押し付けにとどまらず、
あからさまに東アジア諸国の経済の競争力を削ごうとしてきた
これは不幸なことである。

東アジアの開発アプローチから世界は多くのことを学んできた。
日本は軍国主義が非生産的であることを理解し、
その高い技術とエネルギーを、
貧者も金持ちも同じように快適に暮らせる社会の建設に注いできた。
質を落とすことなくコストを削減することに成功し、
かつては贅沢品だったものを誰でも利用できるようにしたのは日本人である。
まさに魔法も使わずに、奇跡とも言える成果を創り出したのだ。

日本の存在しない世界を想像してみたらよい
もし日本なかりせば
ヨーロッパとアメリカが世界の工業国を支配していただろう
欧米が基準と価格を決め、
欧米だけにしか作れない製品を買うために、
世界の国はその価格を押しつけられていただろう

自国民の生活水準を常に高めようとする欧米諸国は、
競争相手がいないため、
コスト上昇分を価格引き上げで賄おうとする可能性が高い。
社会主義と平等主義の考えに基づいて
労働組合が妥当だと考える賃金を、いくらでも支払うだろう。
ヨーロッパ人は労組側の要求をすべて認め、
その結果、経営側の妥当な要求は無視される。
仕事量は減り、賃金は増えるのでコストは上昇する

貧しい南側諸国から輸出される原材料の価格は、
買い手が北側のヨーロッパ諸国しかないので最低水準に固定される
その結果、市場における南側諸国の立場は弱まる
輸出品の価格を引き上げる代わりに、融資と援助が与えられる。
通商条件は常に南側諸国に不利になっているため、
貧しい国はますます貧しくなり、独立性はいっそう損なわれていく
さらに厳しい融資条件を課せられて「債務奴隷」の状態に陥る

北側のヨーロッパのあらゆる製品価格は、
おそらく現在の3倍にもなるため、
貧しい南側諸国はテレビもラジオも、
今では当たり前の家電製品も買えず
小規模農家はピックアップトラックや小型自動車も買えないだろう。

一般的に、南側諸国は今より相当低い生活水準を強いられることになるだろう。
南側のいくつかの国の経済開発も、
東アジアの強力な工業国家の誕生もありえなかっただろう
多国籍企業が安い労働力を求めて南側の国々に投資したのは、
日本と競争せざるを得なくなったにほかならない
日本との競争がなければ、開発途上国への投資はなかった
日本からの投資もないから、
成長を刺激する外国からの投資は期待できないことになる。

また、日本と日本のサクセス・ストーリーがなければ、
東アジア諸国は模範にすべきものがなかっただろう。
ヨーロッパが開発・完成させた産業分野では、
自分たちは太刀打ちできないと信じ続けただろう。
東アジアでは高度な産業は無理だった。
せいぜい質の劣る模造品を作るのが関の山だった。

したがって西側が懸念するような「虎」も「竜」も、
すなわち急成長を遂げた
アジアの新興工業経済地域(NIES)も存在しなかっただろう

東アジア諸国でも立派にやっていけることを証明したのは日本である。
そして他の東アジア諸国は(同じ黄色人種である日本を模範として)あえて挑戦し、
自分たちも他の世界各国も驚くような成功を遂げた。
東アジア人は、もはや劣等感にさいなまれることはなくなった
いまや日本の、そして自分たちの力を信じているし、
実際にそれを証明してみせた。

もし、日本なかりせば、
世界はまったく違う様相を呈していたであろう
富める国はますます富み、
貧しい南側はますます貧しくなっていたと言っても過言ではない
北側のヨーロッパは、永遠に世界を支配したことだろう
マレーシアのような国は、ゴムを育て、スズを掘り、
それを富める工業国の言い値で売り続けていたであろう

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