専門医のコラムDr's Column

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2016

眼精疲労の原因①

眼精疲労の原因は主に4つに分けられます。

① 眼科疾患

眼精疲労を訴える患者さんを診察すると、次のような眼科的な病気や異常が見つかることが多いです。

近視・乱視・老眼、これらの裸眼視力低下に対する矯正不良

近視・乱視・老眼が進むと眼球の中で、網膜(フィルムにあたる光をとらえる部分)にピントを合わせようとして、水晶体(レンズ)の厚さを調節する筋肉(毛様体)の緊張が続きます。そして、実際に視力が低下してくると、目を凝らしたり、首を前に出す姿勢になります。その結果、目が疲れ、首筋や肩が凝ったりします。とくに老眼は40代半ばから60歳ぐらいまでの間に急速に進み、この年齢は眼精疲労の患者さんの年齢層のピークと概ね一致するのです。

メガネやコンタクトレンズが合っていないために眼精疲労が起きることも少なくありません。また、左右の視力差が大きく、それを無理にメガネで矯正するために起こる不等像視(網膜に写る像の大きさが左右で異なる)では、眼精疲労は避けられず、コンタクトレンズが必要です。メガネやコンタクトレンズは、検査を受けて自分に合ったものを処方してもらいましょう。しかし、メガネもコンタクトレンズも本来生物が使用しない『非生理的』な道具です。これらの道具が眼精疲労を生じていることも多いのです。

本来、裸眼で遠方が見えることが人間の生物としての正常な状態です。そこからバランスを崩して視力低下を生じていることが問題ですので、近視手術、乱視手術(ともにレーシックが代表的な治療)老眼手術(多焦点眼内レンズによる白内障手術)で裸眼視力を改善することが、眼鏡やコンタクトレンズでの眼精疲労を解消する最善な方法です。

ドライアイ

眼球の表面の角膜や結膜が乾燥する病気です(→ ドライアイ〜「視力の回復する目薬下さい!」)。VDT症候群(コラム参照)など、目を酷使する人やコンタクトレンズを使っている人がなりやすく、しばしば眼精疲労を伴います。特に目に直接異物を載せるコンタクトレンズは眼科専門医での目の検査の上、コンタクトを使えるかどうか診察し定期検診で目に異常が生じていないか、安全点検が必須です(→ コンタクトレンズ外来)。

緑内障

網膜の視神経が障害されて視野が狭くなる(見える範囲が狭くなる)病気です。気付かずに放置すると失明することもあります。日本の緑内障患者さんの2割程度では眼圧(眼球の内圧)が高い人がおり、眼圧が高いときには頭痛が起きやすくなります。(→ 緑内障外来

白内障やその手術の影響

白内障は水晶体が濁る病気です。そのために視力が低下したり、まぶしさを感じたりして、眼精疲労の原因となります。白内障は十分程度の無痛手術で治せます。眼内レンズを選択いただくことで、近視、遠視、老眼も治ります。それまでのカスミが取れてスッキリした見え方になることで患者さんは喜ばれますが、その手術後の見え方の変化が眼精疲労を起こすこともあります。(→ 白内障

斜視(しゃし)・斜位(しゃい)

物を見るときには両眼が連動して動き、わずかに寄り目になって視線を一点に合わせます。両目の視線が一致せずに左右別々の方角を向いてしまうことを斜視といい、眼精疲労の原因になります。

斜位とは、物を見るときには視線が一致するものの、視線を合わす対象がない場合(例えば真っ暗な闇の中や目を閉じたときなど)に、左右の眼が別々の方角を向いていることです。物を見る際に、左右の視線を合わせる努力を強いられることになり、眼精疲労が起きます。

眼瞼下垂〈がんけんかすい〉

まぶた(眼瞼)が垂れ下がってくる病気です。視野の上のほうが見えなくなるので、物を見るときに頭を後ろへ反らす、無意識に顎を突き出すような姿勢になっていることも多く、眼精疲労の原因になります。眼瞼下垂は多くシニア層の方に起こっていますが、「年だからまぶたが弛んできた」という自己判断で放置されていることが多いのです。ところが、三十分程度の日帰り手術で治すことができ、治療後には眼精疲労だけでなく、それまで起こっていた辛いドライアイ、肩凝りや腰痛、頭痛、不眠症、便秘など様々な全身症状の改善につながることも知られています。NHKのテレビなどでも取り上げられるようになっています(→ 眼瞼下垂 ”ためしてガッテン”

アレルギー性結膜炎

前述のドライアイや緑内障、眼瞼下垂の原因として、アレルギー体質の問題があります。目にアレルギー反応を慢性的に生じることで様々な「疾患」へと発展します。アレルギー性結膜炎の症状としては、かゆみが最も代表的なものです。目そのものがかゆく感じる場合もありますが、まぶたやまぶたのふちなどの部分に特にかゆみが現れやすく、かけばかくほど症状が強くなることが多く、放置すると患者さん自身で症状を増悪させる悪循環に陥っている場合もあります。次に多いのはごろごろする、「異物感」というものです。アレルギーの反応によってまぶたの裏側の結膜に粒状のもりあがりができ、この「できもの」がまばたきの際に黒目(角膜)と接触することによって生じます。小さなゴミが入ったように感じることもあります。しかし、こうした症状以上に多いのは「眼精疲労」の自覚です。かゆみが少ないと、アレルギー性結膜炎を生じていると自覚している患者さんが少ないのが現状です。本質は身体を守る「免疫力の低下」ですから、あらゆる病気の原因が「アレルギー体質」に潜んでいると言えます。(→ アレルギー科

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いかがでしたか? 多くの方に思い当たる節があるのではないでしょうか?

次回は眼科疾患以外の眼精疲労原因についてお伝えします。

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