専門医のコラムDr's Column

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2014

眼内コンタクトレンズ(フェイキックIOL)

眼内コンタクトレンズ(フェイキックIOL)

ごく簡単にいうと、目の中に「小さなソフトコンタクトレンズ」のようなものを移植・固定する方法です。これにより強度近視のかたでも術後の視力が格段によくなり、乱視も対応可能なため見え方の質も良くなります。具体的にどんな方法か、次に説明します。

角膜を削らないため、角膜が薄くレーシックが受けられない人でも一定の条件を満たせば安全に手術を受けることが出来ます。

眼球の中に薄いレンズを入れる術式

目の中には、角膜と水晶体の間に、俗に黒目と呼ばれる「虹彩(こうさ い)」というドーナツ状の薄い膜があります。目の中に入る光の量を調節する部分ですが、後房型有水晶体眼内レンズ(日本ではICLというレンズが厚生労働 省の医療用具認可を受けています)では、この虹彩の裏側に、柔らかい素材で作られた薄くて小さなレンズを移植します。

通常のコンタクトレンズの場合、角膜の上にレンズを乗せるため異物感が生じることがありますが、ICLではそのような感覚が起こりません。手術は15~20分ほどで終わり、角膜に3ミリほどの切り傷ができますが1週間ほどでほぼ跡も残らずに視力も安定します。

「目の中にレンズを入れる」と言うと、何か恐ろしい手術に思えるでしょうが、白内障の手術では、眼内レンズの移植は30年ほど前から一般的に行われ ています。白内障とは水晶体が濁って視力が低下する病気です。45歳以上の中年でほとんどの人が発症します。老眼=白内障と考えていただいて間違いないの です。

白内障の手術は、濁った水晶体を取り除き「眼内レンズ」を入れることで視力を回復させます。1992年に眼内レンズに保険が適用されてから手術の数が急増し、現在日本では年間100万人以上が手術を受けています。

同じ視力矯正手術であるレーシックの場合、先に述べたように角膜の表面を薄く削ってフラップ(ふた)を作り、その内部にレーザーを照射して視力を矯 正します。この方法で多くの人が視力を改善していますが、生まれつき角膜が薄い人や視力が極端に悪い人は角膜を削るリスクが高くなるため受けられません。

このような人は度の強いメガネやコンタクトレンズを使用する以外に方法はありませんでした。しかしICLなどのフェイキックIOL という術式によって、裸眼の視力を安全に1.0以上にまで回復する可能性が高くなりました。この手術は認定を取った術者しか行いませんが、白内障手術に慣 れている術者が行えば技術的にも安心です。

当コラムは患者さんのお役に立てていただく参考資料として配信しております。

質問やご意見については診察時に小栗にお尋ねいただけますと幸いです。

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